生活習慣をエンジニアリングする

株式会社ROXX agent bank開発チームのorifujiです。チーム内での取り組み「Rock Activity」の一環で本記事を投稿します。 元々、何かしら新しく身につけたい技術に触ってみてそのコード解説をしようかとも思っていました。いたのですが、ごく最近の自分の取り組みとして最もちゃんとしたActivityだったのはこれだな、ということで、直近の生活改善内容を綴ってゆく方向へ舵を切りました。 生活改善に関わるちょっとしたtipsと、それに対するわたしの所感が書かれています。たぶん、ギリギリ技術ブログなのでは……

ちなみに最近始めた個人ブログで先に公開しています

「これは、ポンコツポンコツによるポンコツのための生活改善案だ。万国のポンコツよ、とりあえず朝起きろ!」

というわけで、生活習慣を見直すための記事を始めます。ここ数ヶ月のわたしの悪戦苦闘の様子が見られます。

TL;DR

  • 意志ほど信用ならないものはありません。良い行動を仕組みや条件反射に落とし込み、自らの身体を傀儡のように扱いましょう
  • 睡眠をコントロールしましょう
  • 適切に休憩するためのフックを用意しましょう
  • 疲れにくくするために身体を鍛えましょう
  • 業務中に自然とできていることは私生活にもだいたい応用可能なので、とりあえずやってみましょう(まずは、スクラム的なふりかえりから!)

序:経緯・動機

なんかうまくいかない日々

冒頭に偉そうな発言を引用しましたが、何を隠そう、誰よりもまずわたしがポンコツだったのです……

具体的には、現職への転職後、概ね下記のような状態に陥っていました。

  • 毎日、業務時間内に体力が尽きる
  • ちょっとしたことで生活リズムが崩壊する
  • 結果、入社2ヶ月目で2回も遅刻
  • 趣味・学習に時間が費やせず、成果もイマイチ
  • 思考が澱み、たいして面白いアイデアも出てこない
  • 何よりも仕事が遅い

前職での心身の疲れが尾を引いていたとはいえ、これはなかなか手痛いズッコケです。 「面倒だけど、どうにかしないとなぁ」などと零しつつ、どうにか挽回するためにさっと簡単にできるとこから始めちゃおうぜ、というポジティブシンキングを開始しました。

そのあたりまえ、あたりまえに出来ていますか?

そこで、簡単にできるNext Actionとして、「問題解決方法・生活改善に関して書かれた本」を多読してみてアイデアを拝借するを案出しました。

のですが、白状すると、実は筆者はこれまで、ビジネス書・自己啓発書をあまり読んできませんでした。正直に申し上げると、「内容が薄い」「あたりまえのことが書かれているだけ」「一面的な思想を煽情的なキャッチコピーとともに押し出している」ような印象を抱いていたのです。そのため、長年に渡り距離を置いていました。

そのため、アイデアとして思いついておきながらも、ちょっぴり及び腰になります。

しかし、昨今の為体から、自身の考えに対して疑問が生じてきます。例えば、「本当にデキるビジネスマンが参考にしているなら一読の価値はあるのでは?」「あたりまえのことって……本当にできてる?」というように。

そんなわけで、とりあえず馬鹿にせずに読みまくってみよう、と決めました。だいたい、2021年6月から7月の出来事です。

読んだ本

書店やAmazonで幾らか見繕います。あまり知識のない領域なので、売れ線や「わたしでもよく聞く本」から選んできました。

  • 安宅和人『イシューからはじめよ』
  • ジム・クウィック『LIMITLESS 超加速学習: 人生を変える「学び方」の授業』
  • グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考』
  • Testosterone・久保孝史『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由』
  • 樺沢紫苑『インプット大全』
  • 樺沢紫苑『アウトプット大全』
  • 樺沢紫苑『神・時間術』

などなど。時には(神の時間術ってなんだよ……)などと思いつつも、全て読み切りました。結構楽しい体験でした。折を見てジュンク堂書店池袋本店1F, 5F(↑のような本がいっぱい置いてあるところ)とか覗きに行くかもしれません。

生活習慣改善・行動改善の本は少なめかも知れませんが、いずれの本も今回のテコ入れには少なからず役に立ってと思っております。

振り返ってみると、今回採用した改善案には幾らかの書籍に共通して書かれていた事項が多いです。また、著者独自というよりは一般論的な見解も多かったと判断しているため、直接的な引用をしない限りは個別に詳しく典拠を注釈することはしません。上記の紹介に留めます。

本:やったこと、わかったこと

学習効率化や問題解決の本が多めになったのですが、今回はいったん、そういうものよりも生活習慣改善・行動改善にフォーカスして、得た知識をまとめてみようかと思っています。 今回はとりあえず最近の取り組みをまとめるだけですが、後々、プラクティスをより体系化して記事にします。

睡眠改善

ツラミポイント

  • 起きるのが遅いと仕事の立ち上がりが悪い
  • そもそも睡眠時間が短い
  • 目覚めが悪い
  • 昼食後、かなり眠くなる

対処

早寝のための行動

上掲の書籍群の一部を参考にしつつ、下記を行いました。

  • 後述する筋トレ活動で身体を追い込み、疲れで寝てしまう状態をなるべく作るようにした
  • 生活リズム補正が必要なときのために、かかりつけの医師と相談のうえ、メラトニン錠剤を個人輸入した
早起きのための行動と、目覚めを良くするための行動

「意識が覚醒したら意地でも目を瞠ることを習慣とする」は効果的でした。セロトニンが云々……などと説明することもできますが、それ以前の単純な話、目をあけていれば二度寝はしないんです。意識が安定し、立ち上がることができるまで目を開き続けます。 気合いで解決、みたいな方法に見えますが、慣れると条件反射的に目を開けるようになりますし、いきなり起き上がるよりはたぶん楽です。

しばらくして立ち上がることができたら、廊下に出て日光を浴びます。自宅の場合、窓の構造上の問題等で自室に日光を入れることが期待できないため、都度廊下に出ています。日光浴の最中は軽く動的ストレッチなどをすると、手持ち無沙汰感がないです。

それが終わったら、階段昇降または散歩を行い、軽い運動とします。これやるだけで頭の冴え方が違う気がしています。

日中の眠気や集中力低下を抑制するための行動

これは端的に「昼寝」です。30分程度で済ませるのがベストだと思います。

なお、万一の寝落ち防止のため、布団に臥せることは避けます。万年床は危険なのです。朝のうちに畳んでおくと良いでしょう。

布団の代わりに、ネックピローをつけながら椅子で軽く寝ることにしています。目覚ましがなったら確実に起きられる程度の状態で寝る、がちょうどいいですね。

得たもの

  • 過度な夜更かしをしなくなった
  • 毎日コンスタントに7-8時間の睡眠が確保できるようになった
  • 午後も集中してタスクに取り組めるようになった

筋トレ

ツラミポイント

  • 体力がない
  • 気分が沈みがち
  • 音ゲーで疲れる

対処

筋トレする、が対処な訳ですが、具体的にどういうメニューをやっているか、継続するためにどのようなことをしたかと綴っていこうかと思います。

メニュー
  • 拳立て 10 x 3
  • 腹筋 10 x 3
  • 腹斜 10 x 3
  • プランク 30sec x 3
  • 足上げ腹筋 10 x 3
  • 背筋 10 x 3
  • ダンベル(計12kg)有スクワット 10 x 3
  • ハンドグリップ(60kg) 左右 10 x 3
  • ランニング(距離不定 range: 0-8km)

上記を基本として、回復させたい部位は適宜メニューから除外、その分は別のメニューを補填する形で運用しています。例えば腕を重点的に鍛えたいときはダンベルカールを追加しています。

取り掛かる

このメニューをPC画面に大きく表示させて、上から順に

  1. メニュー内容を声に出す
  2. 声に出したら「やらないとな……」という気分になって取り掛かる
  3. 次のメニューに移る

を繰り返します。思いのほかこの声出し法は推進力が高くぶっ続けになりがちです。「続かないしんどい追い込み」を避ける意味でも、適宜休憩宣言(21:50まで休憩! とひとりで叫ぶ)をしています。現状、タスクの区切りごとに叫ぶのは本当に効果的なので、筋トレ以外にも応用したいところです。

続ける

筋トレやダイエットの三日坊主はよく聞くところです。予防的に、以下の対策をしておきました。

  • おいしいと思えるプロテインを購入し、「プロテインを飲みたい→せっかくなら筋トレしなきゃ」のサイクルを確立(プロテイン駆動)
  • 会社のslackに筋トレchを作成し、毎日筋トレ宣言or報告
  • 筋トレのアニメをNetflixで自宅上映し、気分を盛り上げる

得たもの

  • 目覚めが良くなった
  • 体力が戻り、一日中業務に集中できるようになってきた
  • 前向きな気持ちになってきた

氾濫する情報の群れをシャットアウトする

つらみポイント

下記について流石に嫌気がさしていました。

  • 怒り、焦り、そのほか諸々の良くない感情
  • コロナ禍の不安なニュース
  • オリンピックなどの時事にまつわるネガティブなニュース

社会課題が浮き彫りになる事件ではありますし、議論を避けることが現状追認を招いてしまう側面もあるかとは思います。 ただ、あまりにもネガティブな感情が出回っているため、健康を取り戻すまでは離れた方がいいな、と。 行動改善系の書籍でもSNS断捨離的なワードがよく目につきました。 そういうわけでとりあえずTwitterから始める形で、各種SNSと距離を置くことに。 それにしても、インターネット歴約20年にして、ようやくTwitter疲れを検知できたわけです。遅すぎですね。

対処

で、もうばっさりやってしまいました。

  • 手元端末からの公式クライアントアプリの削除
  • 自発的な更新をほぼ停止
    • またその旨を宣言してプロフィールに固定
  • フォロー先全てに対してRTミュートを適用
    • 例外的に見に行く必要が出た場合にも「知らない人の知らない言葉」を表示しないように

ここまでしてやっとTwitterに費やす時間を大幅に減らせました。

得たもの

イライラする契機が格段に減りました。ながら作業的に触って集中力を乱されることもなくなりました。

「独り言を多方面に向けて発信する」欲はslack, discordで代替できています。

スクラム的な考え・活動を私生活に輸入する

弊社開発チームでは一週間スプリントでスクラム開発を回しており、特に毎週金曜日には

  • スプリントレビュー
  • ふりかえり(レトロスペクティブ)
  • リファイメント
  • プランニング

などのスクラムイベントを行っています。このFWをプライベートにも持ち込んでみるのは面白そうだなと思い、同居人と、2週間スプリントで軽くスクラム生活をしてみることにしました。その施策の内容を書き出してゆきます。厳密さよりも手軽さを優先する方針ですので、ここに関してはツッコミご容赦を。

ふりかえり

良かったこと・悪かったこと・生活上の課題などを出してゆきます。例えば、以下のような感じに。

  • Good:仕事に結構集中できた
  • Good:オンラインゲームで遊ぶのに時間を捻出できたのは良かった
  • Good:筋トレ用具を買い足したおかげでモチベUP
  • Bad:ゲームに熱中しすぎて睡眠時間が減った
  • Bad:浪費の傾向がある
  • Problem:玄関先の雑草が邪魔で歩きにくく、雨の降った後はズボンがやたらに濡れる
  • Problem:2人で半日かければ終わりそうだから、来週末にカレンダーを押さえておこう

リファイメント

検知された問題への具体的な対処方法を検討します。例えば先程のProblem「玄関先の雑草が邪魔で歩きにくく、雨の降った後はズボンがやたらに濡れる」「お米のストック追加がギリギリになるから夕飯を食べ逃すことがある」などの困りごとについて、対処法を検討します。 前者は「草むしりとりあえずやろうか」「除草剤撒いちゃう?」などのようなアイデアが出るかと思います。そんな感じで、ブレインストーミング→タスク化→合意形成を進めます。

プランニング

リファイメントで詳細化したタスクがどれだけ時間をかければ問題なくこなせる作業かを見積り、いつ着手するかを計画します。例えば、リファイメント時の結論「玄関先の草むしりを歩くときに邪魔にならない程度にやっておく」というタスクに対して、「2人で半日かければ終わりそう」のような見積もりを行い、「カレンダーに予定を入れておこう」というように計画を立て、アクションに繋げます。

やってみた感想

やってみれば、これもやはり「当たり前の話し合い」に尽きるところはあったかと思います。特別なこともない営みではありましたが、意識的に実行すること自体の良さが存在しました。 「アイデア出しの時間を決めて、付箋に書き出し、ラウンドロビン形式でメンバーに展開する」などのチームである程度慣れていた方法を流用したことで、時間対効率を高められましたし、問題検知が普通に雑談しているよりかは高精度でできるようになった気がしています。 決まった日時に話し合う機会を設けることで、事前に考えておくこともでき、そもそも問題を棚上げにしてなあなあで済ませることもなくなるのが、体験として素晴らしいですね。

跋:成果、つぎにやること

自分に期待しない、という期待の仕方

意志ほど信用ならないものはないですね。頑張るとかどうにかするとか、曖昧な対処ではなく、仕組みに落とし込むことこそが大事。あたりまえですね。繰り返しになりますが、そのあたりまえができていない点に、病因があります。

いまだにポンコツのままですが、幾らかの成果は出ました

生来のポンコツ具合ゆえになかなか思うようにはいきませんが、当初目的は達成できたと認識しています。

  • 仕事内容の質的向上
  • 学習・趣味に費やす時間の増大
  • 生活リズムの安定
  • メンタルの安定

ですね。読書時間が増えたので、積読が高速消化されています。こんなに楽しいことはありません。

今後の予定

「◯◯をエンジニアリングする」シリーズを継続的に投稿してゆこうと考えています。

題材候補

  • 集中力をエンジニアリングする
  • 業後学習をエンジニアリングする
  • 家計をエンジニアリングする

……エンジニアリング、の意味が良くわからなくなりそうですが、小さなことでも「明確な目的意識を持ち」「なるべく技術的に問題を解決しようとする」態度をそう表現するのも悪くないかもなと思い、気軽になんでもエンジニアリングに含める方向でこのまま突き進みます。

感想

全体、気分が良くなったので満足しています。 レベルの低いこと、当たり前のこと、でもできていないこと。そういう見落としを認識する契機としては有意義な時間だったのではないかと省みる次第です。

今後は本記事に載せたような生活改善施策を高精度のプラクティスとして洗練させ続け、生活の質を高めたいなと思っています。引き続き、自己改善を行ったり、身近な人としっかり話し合ったり。生活にメリハリをもつと気持ちいいんですね。ごく最近、気がつきました。

プロダクトを改善するなら自分も改善していかないと、との思いで今後も続けてゆきます。