RSGT2023 Day1 イベントレポート

この記事は個人ブログと同じ内容です

RSGT2023 Day1 イベントレポート

お疲れ様です!株式会社ROXXでスクラムマスターをやっているぐっきー(@Area029S)こと山口です。

はやくもRSGT2023 Day1が終わってしまったということで、個人的なふりかえりも含めて初日に参加したセッションをイベントレポートとしてまとめたいと思います。

※ Summaryについては個人的な解釈を元に要約しております。万が一スピーカーの方の意思と差異があった場合はご了承ください。その場合はコメントをいただけるとうれしいです。

David Bernstein - Five Practices for Building Software with Scrum

10:00~ メインホールWEST手前

speakerdeck.com

[Summary]
スクラムを実践するチームがスプリント内で効果的に開発するためにはXPの知識が必要である。
書籍レガシーコード改善ガイドで紹介されている9つのプラクティスの中で更に5つをピックアップして解説された。

  1. 協力する(ペアリング、モビング、スパイク、スウォーミング)

  2. 「CLEAN」なコードを作る

  3. まずテストを書く

  4. テストで振る舞いを明示する

  5. レガシーコードをリファクタリングする

[感想]
レガシーコードは変更する必要がでるまではリファクタリングしない。
変更の必要があるときだけリファクタリングにこだわる。という解釈は初見でした。
学びやプラクティスをチームに広げるには、モブプロ、ペアプロをチームがうまく出来るようになることが重要だという話に共感しました。
本当にモブプロ、ペアプロがうまくできるようになると学びが早く広がるのかはチームで実験してみたいと思います。(ペアプロなら数日間でうまくできるようになるらしい)

[観て欲しい人]

  • よく言われる開発プラクティスをもう一度おさらいしたい人

  • XPってなんぞや?なひと

  • (個人ではなく)チームとして開発する体験をしたい人

Yoh Nakamura - Outcomeにフォーカスするチームへのジャーニー

13:00~ メインホールWEST手前

www.docswell.com

[Summary]
Outcomeにフォーカスするチームのスタート地点と、それぞれ嬉しいこと、困りそうなこと、困りそうなことへのアプローチ案

  1. チームがスキルを獲得していく

  2. チームにスキルを持ったメンバーが加わる

  3. チームを別に作る

Outcomeにフォーカスすることで会話の方向がタスクは終わるの?からユーザーは喜んでいるの?に変わってくる。
まずはやってみよう。

[感想]
Outcomeにフォーカスするチームを別に作り、2つのチームで協働していく状況について、マネジメントのしやすさと組織としてはOutcomeにフォーカスできるという嬉しいポイントがあるが、2つのチーム間にできた壁によって発生する弊害がたくさんありそうだと気になりました。

[観て欲しい人]

  • 組織構造について考える人

  • Outcomeにフォーカスするってどういうこと?を知りたい人

  • 自分たちがOutcomeを実現している方法を再理解したい人

Tomoharu Nagasawa - スクラムチームが自信をもってアウトカムとスプリント活動に集中するためのコツ

13:25~ メインホールWEST手前

www.docswell.com

[Summary]
作る量ではなく価値を最大化していくことが大切。
作業の効率性を考えてしまうが、作るものの効果性と反応性が先で効率性は後回しである。価値を中心にスケールさせていくとよくて、スケールの計測にはPBIのサイクルタイムなどを計る方法がある。
Outcomeのタネと時間を上手に運営していこう。

[感想]
価値を最大化していく上でスケールさせていくために、カンバンのプラクティスがよいということが再確認できました。
チームが理解して実践することで、単純な作業量ではなく価値のあるものを作ることをスケールしていくことにフォーカスするという視点を持てそうなのが素敵でした。

[観て欲しい人]

  • 開発チームの生産性や成長に向き合う人

  • 意味のある仕事に集中したい人

Yoshiki Iida - エンジニアリングマネージャー業の具象と抽象

14:00~ メインホールWEST手前

speakerdeck.com

[Summary]
会社とそこに属する人の成長を持続的に作り出すために、まずはチームのビジネス的な成果を理解し、チームメンバーを知り、チームビルディングを行う必要がある。
その後はチームの成熟度に応じて抽象度の高い問題にスコープを広げていくとよい。
ただし、チームの中の問題もなくなるわけではない。
一人で立ち向かうのはつらいので、EMチームを作ってアジャイルに取り組むのがおすすめ。

[感想]
1→10の事業フェーズで組織の成長にコミットする人たちは向き合うであろう課題が言語化されていたセッションでした。
話の中で出てきたスーパーEMチーム(という名の中長期的な組織の成長について考える人の集まり)の有効性は個人的にも実務で実感しているので共感できるところがありました。

[観て欲しい人]

  • 組織の成長にコミットする人

  • EMとして仕事の仕方に悩んでいる人

  • これからEMになる人、なりたい人

Kazuki Mori - Effective Retrospective++~楽しいだけじゃない、次の一歩を自分で踏み出し続けられるふりかえりへ~

15:15~ メインホールEAST奥

miro.com

[Summary]
ふりかえりの目的はたくさんの言い回しがあるがしっくりくるものを使おう。
立ち止まることを意識しよう。チームの成長を加速させる作業と一緒にしてはいけない。
必ずアクションを出す必要はない。時にはインセプションデッキの見直しに使ったり、してもよい。みんなで1つのものごとについて考えることが大切。
チームのふりかえりには成長段階がある。Miroを眺めて段階に応じて適切なアプローチをしてみよう。

[感想]
必ずアクションを出す必要はない。時にはインセプションデッキの見直しに使ったり、してもよい。みんなで1つのものごとについて考えることが大切であり、費用対効果としてアクションだけでなく日頃のチームのスタンスにもいい影響があるという気づきを得ました。
また、ふりかえりのふりかえりはすぐに実践できるし効果を期待できそうなので、チームに持って帰って週明けから実践したいと感じました。

[観て欲しい人]

  • チームでふりかえりをする人

  • ふりかえりについて課題感を持っている人

  • 日々仕事に追われて忙しい人

Ikuo Odanaka - チームのパフォーマンスを引き出す、ワクワクするプロダクトゴール/OKR

16:15~ メインホールWEST手前

speakerdeck.com

[Summary]
OKRはチームのWillとプロダクトの将来の姿が一致するとき効果を発揮する。
チームにはObjectiveに対してワクワクとシナシナというモチベーションが存在するが、建設的な議論を踏まえて「それな!」と共感を得ることのできる状態を作ることで効果的なObjectiveを設定できる。
また、運用では小さなブレイクダウンを積み重ねることで着実にムーンショットの達成を狙うことができる。

[感想]

  • 誰かにとっての楽しいは別の誰かにとっての「やらされ」の可能性

  • 目標高すぎてつらい = 健全なブレーキ、前に進むための健全な議論として活かそう

などOKR導入の際につまづきそうなポイントをケアしてくれる内容が要所要所であり、知見としてありがたい内容でした。

[観て欲しい人]

  • これからOKRを導入しようとしている人

  • OKRを運用している人

  • 組織で目標を管理している人

おわりに

以上が初日のイベントレポートでした。招待講演や、その他時間が被っていて見られなかったセッションについても後追いでチェックしたいと思います。

また、このレポートが今日参加できなかった方、観られなかったセッションがあった方の参考になりますと嬉しいです。

それではDay2も楽しんでいきましょう〜!