
はじめに
あなたは誰?
「いかり」と言います。ROXXの中でエンゲージスクワッドという組織のプロダクトオーナーをしています。ねこが好きです。
エンゲージスクワッドとは?
開発(エンジニア/デザイナー)だけではなく、マーケターも所属している団体です。場合によってはセールスの方が所属することもあります。
この記事は誰に読んで欲しい?
内容は技術的なものではなく心構えの要素がほとんどですので、主にプロダクトオーナーやプロダクトマネージャーではありますが、プロダクト開発に携わる遍く人々に読んでもらえたら嬉しいと考えています。
聞いて動かす
プロダクト開発において、最も難しいことは「正しい判断をすること」ではありません。
本当に難しいのは、判断材料を集めることです。
数字は嘘をつきません。しかし、数字だけでは真実は見えません。
声は誤解を含みます。しかし、声の奥にこそ未来へのヒントがあります。
私がプロダクトオーナーとして大事にしているのは、“聞くこと”は受け身ではなく、最も強い意思決定の手段だという考え方です。
そして、聞いて終わり、では意味がありません。
POやPdMに求められているのは、「聞いたことを材料に、チームやプロダクトを前に進めること」です。 私はこれを「聞いて動かす」というスキルだと考えています。
聞いて動かす、というのは単に多くの意見を集めることではありません。 むしろ、その逆です。たくさんの声や数字の中から「今このチームが動くべき一点はどこか?」を見定めて、余計なものをそぎ落とし、具体的な一歩に変えることです。
何を見るか、誰の声を聞くか
私たちは毎週のように、さまざまな数字を見ています。
登録率、離脱率、CVR、滞在時間、問い合わせ件数、チャット開始率、面談設定率…。
数字は状況を客観的に示してくれますが、数字は理由を語ってくれません。
例えば、登録フォームでの離脱率が50%だったとします。
パッと思いつく改善案は
- 入力項目を削るべき
- CTAの配置を変えるべき
- 動線を簡略化すべき
などがあるかと思います。
しかし、マーケターの視点からはこんな意見があるかもしれません
「流入経路ごとに動機が異なるのでは?」
セールスの方も言いたいことがありそうです
「自信を持って紹介できる方に多くサービスを使って欲しい」
経営視点ではどう見えているでしょうか
「短期的な数字と長期的ブランド価値、どちらも大事にして欲しい」
このとき、誰も嘘を言っていません。
全員が正しく、全員が不完全な真実しか持っていません。
だからこそ“聞く”ことが意思決定を強くする
POやPdMは、単に多数派を選ぶ役割ではありません。 また、専門性の高い誰かを盲目的に信じる役割でもありません。
POやPdMの役割とは、ユーザーの声・数字・マーケの意見・営業の知見・現場の状況・経営判断を聞き、つなぎ合わせ、未来に向けて最大多数の最大幸福を意思決定することと考えています。
そのための最大の武器が、聞く力です。
聞く力とは、言葉の表面を受け取ることではありません。
- なぜその数字になっているのか
- なぜその発言が出てきたのか
- その意見の背後にある文脈と感情は何か
- 本当に守りたいものは何なのか
意見を“理解する”のではなく、意図を“発掘する”ことが聞く力の本質です。
そして、聞くこととのつながりをROXXのバリューで表すと(ROXXのmission/valueはこちら)
ROCK:大きな理想を実現するには、現実の声と向き合う勇気が必要
BAND:自分の正解を押し付け合うのではなく、互いの不足を補い合う
SHOW:過去最高の成果は、個の力ではなく、共鳴によって生まれる
と、変換できるかもしれませんね。
そしてPOやPdMは、ただ意見をまとめる人ではありません。
熱量と事実を統合し、チームを一つの方向に向ける役割です。そのために、最も重要なスキルは話すことではなく、聞くことだと考えています。
メッセージ
プロダクトは、話す人と聞く人がいてはじめてしっかりと動き出す。
声は小さくてもいい。荒削りでいい。
まずは聞きに行こう。向き合おう。理解しよう。
聞くことでしか見えない景色があり、
聞くことでしか辿り着けない未来があります。
私はこれからも、聞くことを通じて未来をつくる人でありたいと思います。
できるならば、チーム、会社、社外も含め多くの方々がこの意識を持って自らの前にある一つ一つの施策や課題に取り組むことができれば、少しはこの文章を書いた意味があるのかなと思います。
ご清覧ありがとうございました。