国作りワークショップで見つけた、日常の小さな変化をシェアして安定的な成長環境を構築する心得

この記事は個人ブログと同じ内容です

国作りワークショップで見つけた、日常の小さな変化をシェアして安定的な成長環境を構築する心得

※この記事のタイトルは XP 祭りのセッション「あなたも元高角三(げんこうかくぞう)になろう!- 文章力で世界を変革する技術」のワークショップで学んだコピーライティングを実践した結果できたタイトルです。少々大袈裟かもですが、優しい目でお気楽に読み流していただけると幸いです。

こんにちは、back checkの開発をしておりますぐっきーです。 今回はXP祭りのオフラインの国作りワークショップに参加してきたのでイベントレポートとして本記事を書きます。

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内省と周りの人との関係構築を促すワークショップ

まず @ryo_endo さんが考案された「 国作りワークショップ」の概要を説明します。

・国づくり ・国際交流

上記の2つのメタファーを通して自分自身の価値観や自分とは異なる価値観の理解を深めていくことを目的としたワークショップと紹介されていました。

進行

参加人数:約10名

参加者はテーマとしてあげられたいくつかのお題(今回は「問題解決」「関係性」「自己成長」)に対して自分の価値観として最も大切にするものを選択します。 価値観を選択した参加者は、同じ価値観を選択した他の参加者とグループになって国作りをしていきます。

国作りの手順は以下となります。

  1. なぜ自分がその価値観を選択したのかグループメンバーと共有する。
  2. グループ内のメンバーで協力し、国の国旗とその国特有の挨拶を作成する。

その後、他の国(別の価値観を選択したグループ)と国際交流を行います。

国際交流の流れ

  1. 国に観光にきた人へのおもてなしの準備を行います。ここでは各グループの中で自国に残り、他国からの観光客から自分達の国について投げられた質問に回答する人を選出します。
  2. 自国に残らないメンバーは他の国に観光に行きます。ここでは自国に残らないメンバーが他国のテーブルへいきます。
  3. 他国へ観光にいったメンバーは、国旗とその国の挨拶をはじめその国に関するちょっと意地悪な質問を投げます。質問に対しておもてなしをするメンバーは自国への質問に対して観光大使として回答します。
  4. 他国へ観光にいくメンバーはタイムボックスの間自国以外を行き来し、それぞれの国を知るための質問を繰り返します。
  5. タイムボックス終了後、自国に残ったメンバーと他国へ観光にいったメンバーを入れ替え、全ロールを経験するまで繰り返します。

日常の服を脱ぐ

印象的だったポイントとして、最も大切にする価値観を選択する流れで、最初に価値観を選んだ後ファシリテーターから「仕事のことを考えて価値観を選んでいませんか?」という問いかけがありました。その上で服を脱ぐ所作をするワークを行い「ユニークな服を着ていた人はいませんか?」など服を脱ぐワークに集中するような場作りがありました。

このワークを行った後に再度「服を脱いだ後、あなたは改めてどの価値観を大切に考えますか?」という問いかけを受けて参加者は再度価値観を選択しました。

この全員で体を動かして服を脱ぐワークを挟んだことによって、参加者間で自己主張に対する心理的安全性が高まり、その後の自分が選択した価値観をワークに参加した周囲のメンバーに共有することに対して抵抗がなくなったように感じました。 また、自分が最初に選択した価値観から1度考えをそらして再度選択肢に上がった価値観について見つめ直すことにより、ふりかえり手法の「5つのなぜ」のように自分の価値観に対して一段深く考えられたように思います。

ちなみに私は参加者として、最初の選択では「関係性」を選びました。これは自分自身が素敵だと思う人が集まるコミュニティとふれあうことが自分の潜在的な欲求だと考えたからです。しかし、服を脱いだ後に再度選択した価値観は「自己成長」でした。この大切に思う価値観の変更に至った理由は、自分が時間を共有したいと考えるコミュニティと出会うまでには必ず私の中で未知の領域の探索によって新しいコミュニティと出会ってきたからです。この未知の探索が「自己成長」のプロセスではないかと考えたため、最初の選択とは異なる価値観を選択しました。

自分達による価値観の可視化

次に国作りのワークで行った国旗づくりと挨拶づくりで感じたことを紹介します。

国旗づくりと挨拶づくりでは、事前にグループ内でなぜ自分がその価値観を選択したのかを共有し、その後グループメンバーの中で「自己成長」のイメージに対するキーワードを探しました。 私たちのグループでは、自己成長のイメージとして「頑張る」「周囲の人へのポジティブな影響」「手放す(周りの人を信じて託す。自分ができるようになることで周りの人達もできるようになっていく。育てて放流し、また次の世代に繋げていく。これらを自己の成長によって実現するようなイメージ)」が上げられました。これらのキーワードを元にインクリメンタルなサイクルが中心から生まれどんどん派生し増えていくようなデザインの国旗を作成しました。

また挨拶作りでは、サイクルがインクリメントしていく様子を表すジャスチャーを取り入れ、ヘリコプターのプロペラのように手を回す動作を取り入れました。 ちなみに私のニックネームを口に出した際の響きの良さがウケたことで、挨拶は「グッキー」に決定しました。 ※会場で参加者皆が「グッキー」を連呼するのはめちゃくちゃ恥ずかしかったです。その後懇親会まで引っ張られる程度には浸透しました。

国旗づくりと挨拶づくりのワークによって、なぜ自分自身が「自己成長」が重要だと感じたのか。また、その感覚の芯の部分にはどのような考えがあるのかが整理できたように思います。

周りの人からの問いによる価値観の深掘り

国際交流のワークでは、他国のテーブルに観光に行き、その国の国旗と挨拶をはじめ、その国に関するちょっと意地悪な質問を投げました。 ちょっと意地悪な質問とは、無茶振りのように「あなたの国ではどんな遊びが流行っていますか?」など国旗と挨拶に関する単純な質問よりもイメージを膨らませないと回答できないような質問を指します。

価値観をぶらさずに場面毎に適用するならなにが必要か?を即興で考えるのが難しかったですが、価値観を促進するアクションの具体がイメージできました。

以下に印象的だった質問とその回答を紹介します。

  1. 「自己成長国ではどんな遊びが流行っていますか?」

  2. いつもとちょっとだけなにかを変えてみる。例えばいつもの自分と違う服の着方をしてみる。新しい価値の発見を皆が楽しんでいる文化がある。

  3. 「自己成長国のおすすめのお店を教えてください」

  4. シェア屋さん。お客さんの興味をそそるような様々な領域の変化をパッケージ化して提供してくれる。(それって情報商材じゃないですか?というツッコミもあったり)

  5. 「自己成長国ではなにをしたら逮捕されますか?」

  6. 個人の成長、変化を強制しない。押しつけない。過去自己成長国が独裁政権だった時代は横行していたが、今の国では禁止し厳罰の対象としている。現在は自己成長国では変化は自由である。他人と変化量を比較することは犯罪ではないが、マナー違反でありこれをする人は紳士的でないと考えられている。

※自己成長国: 自己成長の価値観を選んだグループの国名

小さな変化をシェアして安定的な成長を実現する

ここまで一連の流れを終えた後、自分の価値観に対する発見をまとめ共有する時間がありました。

このワークショップ全体を通しての発見を私は下記のようにまとめました。

心得

まずは個人の範囲内で自己成長を楽しもう。望まない人には押し付けない。

成功も失敗も「変化」があることで得られた学びとしてポジティブに捉えよう。

変化を積極的にシェアしよう。様々な領域の変化掛け合わせで誰か(自分も含め)の役に立つパッケージを作ろう。

変化に「気づく」ようになろう。変化に気づいたら、相手に変化したねと伝え賞賛しよう。

これらを総じて振り返った中で自分達の考えていた「成長」とはなにか?という問いに対して、自分達の考えていた成長とは「変化」であるという結論に至りました。 行動によって生じるちょっとした変化。be agile を志すものとして、日常の小さな変化を捉え、言語化し、シェアすることで安定的な成長(変化)の環境を実現できるのではないでしょうか。