この記事は 個人Qiita と同じ内容です
まえおき
フルリモート時代においてエンジニアの情報インプットのスタイルも様変わりしているように感じます。
2019年までのリアル社会では、競争率の高い勉強会とか海外カンファレンスの招待枠が取れる/取れないのような価値観が、たしかに存在していた気がしますが、物理の制約を解かれたセミナーイベントにはもはや人数制限はなく国境も超え無償になり、エンジニアの情報インプットにおいては劇的に恵まれた時代に突入したと言えます。
また、オンラインが主流になることでイベント内の登壇発表部分には収録動画の配信を活用するケースも増えてきています。
私が新しい技術情報をインプットするメディアの割合は、
- オンライン文字 > オンライン動画 > 書籍
ではありますが、まさにいまこうして文章を書くための情報インプットなどでは、よくまとまってて精査されている書籍の文章も非常に頼りになります。
オンラインイベントが自由を手に入れ、生まれ変わりつつある一方で、日本の活字媒体の事情も変化しつつあるようです。
活字メディアの動向
新型コロナ影響下の書籍の動向
2020年、日本のコミックの売上が、過去最高記録を打ち出したのをご存知でしょうか。
25年ぶりのコミック売上記録更新という奇跡的な回復には、新型コロナの巣ごもり需要が大きく影響しているそうです。
同様に、新書、ビジネス書、専門書(技術書はこれに含まれる)の売上も前年比でプラスに転じていることから、巣ごもりでできた時間を自己研鑽に投じる意識の現れかもしれません。
自費メディアの浸透
活字メディアの動向で気になっているもう1つのトピックは、技術書典や技書博のような自費出版カルチャーの浸透です。
技術書典は、3年前にはすでに盛り上がっていたように感じますが、新型コロナ影響によりリアルイベント中止の代替手段としてオンライン販売を全面展開してから、結果的により身近になり、より多くの読者が参加・購入できるようになりました。
盛り上がりに比例して出品ラインナップの玉石混交感も増しており w 書籍の選択には注意が必要ですが、良書を見つけると、ネット記事と本格的な技術書の中間ぐらいの、知りたいことをピンポイントで知るのにちょうどいいボリュームの良書に出会うことができます。
活字メディアによるインプット
さて、そんな私の活字メディアによるインプット方法ですが、まず、できれば電子書籍よりもリアル本を利用します。
『学びを結果に変えるアウトプット大全/樺沢紫苑』や『大人のための読書の全技術/齋藤 孝』で共通する内容で、書籍に線を書き込むという手の運動が脳を刺激し、読書時の記憶を促進するという趣旨の記載があります。
書き込んだり折り目をつけたりメモしたりしながら、本を自分色に染めながら読む習慣のために、紙の本がある場合はなるべく入手します。
また、とくに印象に残したい書籍についてはなるべく読書記録を残すようにしています。
これも『学びを結果に変えるアウトプット大全/樺沢紫苑』にある、自己成長の量はインプットの量ではなくアウトプットの量で決まるという提言に従い励行しています。
インプット速度を上げる
さて、そんな私が昨今課題に感じていたのが、インプット速度の向上です。
限られた時間により多くの情報を扱いたくなったときに、ヒントになる内容が『大人のための読書の全技術/齋藤 孝』の中で触れられていたので、具体的にいくつかの方法を引用してご紹介します。
ちなみに、本書における"速読"とは、◯◯協会が提唱する速読トレーニングみたいな内容ではなく、社会人が書籍の内容を、限られた時間内で素早く把握するための具体的な方法について説明されています。
読書速度を上げるテクニック
『大人のための読書の全技術/齋藤 孝』の「第2章 : 読書の量を増やす − 速読の全技術」の中で紹介されている、読書の速度と量を上げるテクニックが実施しやすく役に立ったので、以下の通り7つ、引用してみます。
1.目的と締切を同時に設定する
- 目次を読む
- 概要を知り、大事な箇所をはっきりさせる
- どこをしっかり読めばいいかをあらかじめ把握する
- 本をさばく
- 1冊につき20分ぐらいかけて本の内容を人に話せるぐらいまで把握する作業
- 次に開いたときにすぐ読める
- 買ったその日に、その本に一目惚れしたテンションのまま一気に中身を把握しておく
- タイトル、帯、カバー袖、目次、小見出しで全体の趣旨をつかむ
- 練習すれば新書1冊5分も可能
- 1冊につき20分ぐらいかけて本の内容を人に話せるぐらいまで把握する作業
2.逆算読書法
- 結論から読み始める
- 内容を要約できればいい
- 大事なところから読めばいい
3.二割読書法
- 全体の二割を読んで全体をつかむ
- 覚える対象になりそうな箇所だけ精読する
- 目次から全体把握が大切
4.書店で鍛える
- 購入に値するか、真剣に見極めるトレーニング
5.サーチライト方式
- 読む前に大事なキーワード5〜6個を決めておく
- そのキーワードを見つけたら次々とボールペンで丸をつける
- 大事だと思う箇所のページの上端を折る
- まあまあ大事な箇所はページの下端を折る
6.同時並行読書術
- 複数冊を並行して読めると読書量が増やせる
- 1冊ごとの読破に重きを置かない
- そのときの気分によって手にとった本の続きから読む
7.TPOに応じて読む
- TPOに応じて読み分ける
- 読みかけの本を自宅のあちこちに散らばらせておく
- 暇を見ては本を読む習慣が身につく
実践する際の注意点
以上は、各テクニックのポイントを簡潔に箇条書きで引用しましたので、より詳細を知りたい方はぜひ書籍を購入してください。
これらの読み方のテクニックはもちろん、ビジネス書や専門書の読み方として紹介しておりまして、小説の読み方として適さないことは言うまでもありません。
私は上記をビジネス書や技術書の内容を把握する場合に利用していますが、たしかに始まりから終わりまで精読するよりは遥かに時短になり、一度トライしたら辞められない読書法になってしまいました。
最初は筆者に対する罪悪感のようなものを感じなくもなかったのですが、実用書は活用することが目的の書物と割り切って一度試してみると、筆者の言いたいことをよりよく理解しようと努力している、むしろ良いことをしてるかも、という感覚にもなれるかもしれません。
まとめ
紙の本を使い倒すことによる効率的な情報インプットについて、情報を集めてご紹介してみました。
技術書もそうですが、変化に対応し、さらなる変化を求める市場において、ビジネスやテクノロジーに関するさまざまなアイデアが雨後の筍のようにアウトプットされる現在、情報を効率よく取り込むテクニックは、備えていて損はなさそうです。
積ん読(つんどく)本とのつき合い方が変わるかもしれません。