Regional SCRUM GATHRING Tokyo 2022 速報(1日目)

こんにちは! ROXX で back check の開発エンジニア兼、スクラムマスターをやっている山口 (@Area029S)です。Regional SCRUM GATHRING Tokyo 2022 1日目のレポートをさせていただきます!

Keynote

RSGT 初日の一日目の Keynote は、Manage It! 現場開発者のための達人式プロジェクトマネジメントの著者の Johanna Rothman さんから「Agile Program Management: Scaling Collaboration Across the Organization」です。

発表では Johanna さんが自身の経験(1980年台のコンピュータープロダクト開発)を題材にアジャイルなプログラムマネジメントについてお話しされました。 コラボレーションをスケールすることが大事であり、チームが自立して行動したり、 Small World Networks を作成することでこれが実現できるとのことでした。

計画については、ロードマップは4半期単位でも予定通りに進んだ試しがないのでつくらず、4週間分を1週間ずつにわけて計画を立てていき、1週間経過したらみえてきた課題に対しての改善をするために次の5週目の計画を立てる方法で計画しました。

また、進捗の見方としてベロシティの測定ではなくサイクルタイムで計測を行いました。これは顧客の求めているのは開発速度ではないこと。プロダクトが完成品にどれだけ近づいているかを確認するためです。また、顧客はフィーチャーを求めているので、バーンアップチャートを用いて確認することができます。

最後に、プロダクトがなんのためにあるのか、我々がどこに向かうのか、そのために我々は何をするのかの順で徹底的にプロダクトへフォーカスすると、メンバーが自律性を高めるための道筋が作れるとのことでした。

1980年代のアジャイル開発を実際に携わっていた人から聞くのは、スクラムのルーツを知れたような気がしてとても感動しました。

「いい感じのチーム」になるためにやること

@yohhatuさんからは"いい感じ"のチームになるにはどのような活動を行い、どのような関心を持てばいいのでしょうか?というお話しでした。 リーダーシップ、感情、実験の3つのテーマについて話しました。

リーダーシップ

みんなでリードしましょう。リーダーだけでなく、フォロワーシップも大切です。また、チームとしてのバランスも大切です。チームビルディングはスパイラルを登っていくことを意識しながら、継続的にやりましょう。

感情

感情を大切にすることで余白的な部分からでてくる気づきがあります。お互いのことを知り、理解することを心がけましょう。感情を大切にしてもらうためには、自分の弱みからオープンにしていくことがおすすめです。

実験

日常的に実験し続けましょう。 Tips として常になにかを変え続けていくことで変化に強くなります。また、継続的に行う中で、予想や仮説を持った上で一つ一つに対して本気で実験しましょう。

当たり前のことを当たり前に継続することが、いい感じのチームに近づけるヒントですとのことでした。

個人的には、普段の実験が習慣として定着していないことから、@yohhatuさんの「日常的に実験しましょう」という言葉が胸に刺さりました。

フリカエリ星人との邂逅 ~ふりかえりのお道具箱&お悩み相談~

@higuyumeさん / @viva_tweet_xさん

ここでは OST(Open Space Technology) 形式でお悩み+日頃のスクラムに対する Tips について、フーリーとカエリーの2人?が回答したり掘り下げたりしました。

最後にはこのセッションの振り返りも。とてもたくさんの振り返りがでました。

他のセッションは聴く側に回ることが多い中で、このセッションでは自分も一員になることができてとても楽しかったです。個人的には、頑張ってファしらない。 work together の一言でどこかほっとした気持ちになりました。

プロダクトゴールとは?あるいはプロダクトのゴールを設定するには何が必要か?

続いては、@tnagasawaさんによるセッションです。 セッション中に@tnagasawaさんがお話しされたプロダクトゴールの特性 FAST(Frequent discussions, Ambitiously, Specific metrics, Transparent) を元に設計されたプロダクトゴールのフォーマットは、ぜひ活用させていただきたいと思います。

また、プロダクトゴールには常に指標を計測して 検査・適用することが重要であり、プロダクトゴールと価値指標の検査は、経験主義に基づいたマネジメントフレームワーク - エビデンスベースドマネジメント(EBM)が参考になるとのことでした。 20分間のセッションではとても足りないほど学びの深い内容でした。

参考:EBM ガイド https://scrumorg-website-prod.s3.amazonaws.com/drupal/2021-02/2020-EBM-Guide-Japanese.pdf?nexus-file=https%3A%2F%2Fscrumorg-website-prod.s3.amazonaws.com%2Fdrupal%2F2021-02%2F2020-EBM-Guide-Japanese.pdf

あなたのSprint Goalは、機能してますか?

次に@KazuhideInanoさんによるセッションです。 スクラムガイドでのスプリントゴールと完成の定義の扱いは、今までは成果に付随するものでしたが、2020年からスプリントゴールを導入し、位置付けが明確になりました。よく聞く話でスプリントゴールは決めづらい。決めなくてもなんとかなる。との意見がありますが、実際は年々重要視されるようになってきているのです。

例えばスプリントゴールの効果として、チームの活動に軸を据える。ステークホルダーとのコミュニケーションの質を上げる。活動の透明性をあげ、検査し、適用を促す。などがあります。 具体的な例として、スプリントレビューの前に、スプリントゴールをステークホルダーに共有することで、スプリントレビュー時にはステークホルダーの理解度が深くなっており、より検査、適応にフォーカスしたコミュニケーションをとることができるようになります。

また、気をつけたい兆候としてスプリントゴールが単に行動の達成目標になってしまったり、ムーンショットすぎてどれも達成できなかったりなどが現れた場合は、振り返りをして改善できることはないか検討してみましょう。という内容でした。

私が所属するチームでも、スプリントゴールの扱いについては課題感がある中で、改めてスプリントゴールの重要性を確認できる内容のセッションでした。

おわりに

まだまだ RSGT は初日が終わったばかり! 2,3 日目のセッションも楽しみですね! 私もわくわくしながら明日を待ちたいと思います!

最後に少しだけ、弊社 ROXX の宣伝をさせてください!今回の RSGT ですが、私は業務として参加しています。 RSGT は参加費がお高めなカンファレンスですが、これらは会社負担で参加できます。弊社 ROXX では、エンジニアが技術力をつけるための勉強会については本人が業務に活かせると判断するのであれば、基本的に業務扱いにしてくれます。

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それではまた、明日 RSGT 2日目でお会いしましょう!