イベント登壇レポート: ChatGPT IN ACTION 実践で使う大規模言語モデル
概要
昨日の4月5日(水)、大規模言語モデルであるChatGPTを実践的に使う方法について話すイベントに登壇しました。このイベントは、募集時から非常に好評で、最終的には参加枠200人、増枠分で1590人の計1790人が参加する大規模なものとなりました。主催者の広木大地さん、お誘いいただき誠にありがとうございました。今回の記事では、そのイベントの内容をレポートさせていただきます。
ハッシュタグはこちら
https://twitter.com/search?q=%23chatgptinaction
また、今回はWhisper×ChatGPTというテーマで発表させていただいたのですが、そちらのツールを使って、各発表を要約させてみました。ぜひお楽しみいただければと思います。(固有名詞で間違っているところは修正しましたがなるべくそのまま転機しています)
タイムテーブル
- 広木大地さんによるイベント背景の説明
- 5名の登壇者によるLT発表
- パネルディスカッション: チャットGPT APIを活用する工夫と展望
- クロージング挨拶
イベント趣旨
本イベントでは、ChatGPTという大規模言語モデルを実際にAPIとして使用した、各社からその実践的な内容について話しました。また、パネルディスカッションで実際の使用方法や工夫について話し合いました。
ChatGPTには、Web UIプラットフォームとしてのChatGPTと、ソフトウェアコンポーネントとしてのチャットGPT APIの2つの側面がありますが、今回はAPIとしての統合方法について話しました。
イベントの主な目的は、既にChatGPTを使用しているユーザーからの学びを得ることで、実践に組み込む際の知見を共有することでした。
実際のアーカイブは下記になります。各セクション非常に学びになる内容ですので、是非一度御覧ください。
イベント内容
自然言語によるシェルコマンドラインチャーwanna の紹介
今回の主催者、広木大地さんの発表でした。
今回は、自然言語コマンドランチャーWannaを紹介します。Wanaは、自然言語でコマンドを記憶し、実行できる機能を持ちます。wanna thinkというサブコマンドもあり、スクリプトを生成して実行できます。この機能は、LLMと人間の連携によって実現されており、自動的にエラーを検出し、修正できます。UXと大規模言語モデルの組み合わせが素晴らしく、プロンプトエンジニアリングによって、複雑な処理も可能です。また、英語と日本語の両方でプロンプトを使用できます。これからの時代は、人がAIをマネージメントするマネージャーになることが重要だと感じています。
ChatGPTリリース直後にOSSのCLIを作成するスピード感はさすが広木さんだなと思いました。 またAIが提案し、人が決めるという、AIと人間の関わり方は今後のGPTを扱う上で非常に大事なスタンスになりそうだなと思いました。 ChatGPTを触っているとやはり何かを質問して答えてもらうというやり取りになってしまいますが、wannaのように提案してもらい、選択するという体験が構築できれば怠惰な自分にとっては理想的な世界になりそうだなと思いました。
ChatGPTを活用した「AI組織改善アドバイザー」開発の裏側とプロダクト実装の工夫
株式会社リンクアンドモチベーションの梅原さんの発表でした。
Whisperの文字起こし→ChatGPTの要約内容は下記です
第二回のLTでは、リンクアンドモチベーションの梅原さんが、AI組織改善アドバイザーの開発裏話を紹介しました。彼らはChatGPTのAPIを活用して、組織改善のアドバイスを提供する機能を開発しました。開発を通じて、構造化されていないデータや自然言語処理がプロダクトに組み込まれることが重要であること、開発の前提が変わってきていること、そしてテストケースの作成も変わってきているということを学んだとのことです。今後、LLMの普及に伴い、新しいベストプラクティスをみんなで探していくことが重要だと梅原さんは語りました。
要約内容には触れられていませんが、発表を聞いてUnlearnというのが非常に大事なトピックだなと思いました。 特にLLMを用いたアプリケーション開発においてはガードレールをしいて上げることが非常に大事になってくるわけですが、そのテストケースをGPTに言わせるというのは非常に面白い着眼点だなと思いました。
Chat GPTを活用したプロダクトのリリースと今後の展望
グロービス経営大学院ナノ単科の松原さんの発表でした。
Whisperの文字起こし→ChatGPTの要約内容は下記です
続いて、Globisの松原さんは、JatTGTを活用したプロダクトリリースと今後の展望についてお話しました。Globisは日本最大級のビジネススクールで、オンライン授業「ナノ単科」を提供しています。彼らは、ChatGPTを活用して学習コンテンツ「GAiChaL」をリリースしました。これは、LINE上で学習のポイントや深掘りができるチャットツールで、繰り返し質問により学習効果が期待できます。
リリースまでの流れでは、APIの手動テストや利用規約の確定、LINE上の実装を行いました。また、社内イベントで50人以上の社員が参加し、ChatGPTの活用について議論することができました。その後、社内チャットグループを作成し、全社員がChatGPTを触れる環境を整えました。
松原さんは、個人の能力に限界があるため、他の人と協力してインフラ性能やアウトプットを出すことが大切だと語りました。
「GAiChaL」というLINEでできる学習コンテンツをChatGPT APIの公開翌日にリリースするというスピード感は圧倒されました…! また、社内でどうやってGPTを広めていくのか、具体例が添えられており非常に臨場感のある発表でした。 今後GPTを使えるリテラシーが求められてくる中、社内の多人数を巻き込んで行く力は非常に大事になるんだろうなという感想をいだきました。
ChatGPT利用サービス開発でわかったAIとの接し方
ファインディ株式会社笹野さんの発表でした。
Whisperの文字起こし→ChatGPTの要約内容は下記です
本発表では、ファインディ株式会社の笹野さんが、AIとの接し方についてお話しました。笹野さんは、AIを活用したキャリアまとめサービス開発に携わっており、その中で得たノウハウを紹介しました。
聞いたプロンプトのハックとして、人間側のイメージを明確に伝えることや、人間がどう感じるかを教えることが挙げられました。また、リクエストの二度投げという方法も効果的な場合があるとのことです。一方で、聞かなかったプロンプトには、否定や強制、抽象的な表現などが挙げられました。これらをうまく対応することで、AIとのコミュニケーションが向上するというわけです。
笹野さんは、人間の理解とAIの理解をすり合わせることがリファインにおいて重要であると感じました。また、AIはあくまでツールであり、使い方や目的を明確にすることが大切だと述べました。
最後に、笹野さんは新しいサービス「AIインタビュー」をリリースし、チャットやインタビューができる機能を紹介しました。今後もノウハウの変化を楽しみながら、エレベーターの魅力性を追求していくと語りました。
プロンプトの投げ方によって精度が大きく変わるのがGPTの特徴にはなるわけですが、具体的にどういうプロンプトが効果あるのか、逆にないのかをわかりやすく解説していただきました。 人間に話すのと一緒だよねっていう意見はまさしく同意で、やはり雑に投げると雑に返ってくるのは一緒だなって思いました。
ChatGPT×Whisperのプロトタイプと今後の展望
最後のLTはROXXの松本でした。
Whisperの文字起こし→ChatGPTの要約内容は下記です
松本さんは、ChatGPTとWisperを使ったプロトタイピングと今後の展望について話しました。彼は、ROXX株式会社という会社で働いており、agent bankという転職市場を対象としたサービスを展開しています。彼らは、求職者とキャリアアドバイザーの効率的なやりとりを目指しており、GPT技術を利用してサポートの効率を高めようとしています。
彼は、WhisperとGPTを用いた履歴書作成プロセスを紹介し、音声データからテキストデータへの変換が非常に効率的であることを説明しました。また、薄いUIとSOR(Systems of Record)の組み合わせがGPT技術と相性が良いと述べました。今後の展望として、薄いUIを大量に作成し、重要なデータを安全かつ信頼性が高い状態で格納することが重要だと述べました。最後に、音声データの活用が今後ますます重要になると指摘しました。
あってるようで合ってない感じありますね… 発表でも述べさせていただきましたが、作業効率の向上だけではなくユーザ体験がまるで変わってくるというのがGPTによってもたらされる未来かと思っています。 いかにこの潮流に取り残されないかが結構大事だなと感じ、このような発表をさせていただきました。
パネルディスカッション
こちらに関しては非常に参考になる内容が多かったので、是非youtubeで対話内容を御覧ください。
Whisperの文字起こし→ChatGPTの要約内容は下記です
このイベントで話されていた内容:
キャリアアドバイザーと転職希望者の面談では、ChatGPTの活用方法や言語技術の展望、さらに倫理やプライバシーに関する議論が行われました。参加者は、UIやUXの変化とともに新しいサービス創出の可能性や、法律や規制が技術の進化に追いついていない現状、学習や評価系での騙される人や騙しにくる人の問題などについて話し合いました。また、会話の中では、GPTを活用する際のプロンプトの重要性、AzureのOpenAIのスキル意味面での違い、責任範囲についても意見交換が行われました。
参加者がこのイベントから学ぶべきポイント:
GPTを活用する際は、アンラーンが大切であり、効率とリスクのバランスを考慮する必要がある。また、倫理やプライバシーにも配慮しながら、新しいサービス創出の可能性やUI・UXの変化に対応していくことが重要である。
ChatGPTの今後の活用ポイント
ChatGPTを活用する上で、インプットの質によって出力結果が大きく変わるため、適切なプロンプトを与えることが重要である。また、アンラーンの必要性や最適なバランスを探りながら進めることで、GPTの持つ価値を最大限に活用することができる。さらに、倫理やプライバシーにも配慮し、UIとUXの変化とともに新しいサービスの創出が期待される。
まとめ
今回のイベントでは、ChatGPTを実践的に使う方法について各社発表し、パネルディスカッションも行うことで知見が深まったかなと思います。 今後もROXXではChatGPTを用いた様々な取り組みをしていく予定です。
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