株式会社ROXXのプロダクトマネージャー、松野広志です。 入社してから3-6ヶ月目にかけて、事業責任者やセールスメンバーと共に取り組んだ「我々は、過去・現在・未来において、どの顧客の何を解決するのか」というテーマについてお話ししたいと思います。
1.入社直後のミッション
入社当初に私に与えられたミッションは以下の2つでした。
①事業部全体がアウトカムベースで考えられるようにする
②来期のロードマップを策定する 当時は、すでにいくつかの案件が進行中で、事業が形になりつつある状況でした。そのため、先輩社員の協力を得ながら、「組織の力を結集しプロダクト戦略とロードマップの作成する」という方法が効率的であると判断しました。そこで、最初に実施したのが現在の課題と顧客ニーズのヒアリングです。
2.課題とニーズのヒアリング
ヒアリングは、事業責任者、Sales、Marketing、CS、Devの各チームメンバーに対して行いました。 ここでの注意点は、例えば「顧客について教えてください」と尋ねた場合でも、それぞれが抱く顧客像が異なることです。事業責任者やSales、Marketingチームは新規顧客に焦点を当てがちですが、CSやDevチームは既存顧客を意識した会話が展開されることがあります。また、各部署から出されるプロダクトに対する要望も多岐にわたります。事業責任者は非連続な成長を、Salesは競合との差別化を、CSは顧客の利便性向上を求めることが多くなります。
3.ヒアリングの整理
これまでにヒアリングした内容を整理し、資料に落とし込み、次に実施するディスカッションやアイデアワークの精度を高めることに努めました。そのうち、効果が高かったものをご紹介します。 効果が高いと感じた取り組みは、キャズム理論になぞらえて「我々は、今どのステージにいるのか」を明らかにすることです。キャズム理論自体はご存じの方は多いかと思いますが、「我々はどこにいる」という現在の位置を、誰が何を見て判断すれば良いか、明確なイメージがありますでしょうか。それを社内で共通認識を取るとしたら、どうすれば良いでしょうか。 BtoBのプロダクトだと、何となくイノベーター層にはスタートアップやプロダクトマニアの顧客がいて、徐々に中堅から大手企業に移行していくイメージが当てはまるかと思います。しかし、back checkはそのようなタイプのものではありませんでした。過去のプレスリリースにあるように、早い段階から大手企業のお客様からご利用いただいていました。では、我々はどこにいるのか?当時これを質問しても誰も答えられる状態ではありませんでした。
4.リーンキャンバス x キャズム x ホールプロダクト x 顧客
そこで、私たちは、キャズム・リーンキャンバス・ホールプロダクトを組み合わせた独自のフレームワークを作成し、活用しました。縦軸はリーンキャンバスとホールプロダクトからなり、オリジナルの要素を加えた項目で構成されています。横軸はキャズムであり、時間軸を表しています。 このフレームワークは非常に効果的で、関係者と共にシートの項目を埋めることによって、次のことが明確になります。「目の前の顧客が求めていること、それに対応すべきこと」「将来の顧客が求めていること、それに対応すべきこと」。これにより、事業部の全員に立ち位置を明確に示すことができました。そして、プロダクト開発の優先順位付けも意識されはじめ、後の合意形成に役立ちました。
5.まとめ
このフレームワークの効果は、社内の顧客に対する議論を円滑にするだけでなく、「過去の成功事例に固執せずに」「未来の顧客の要望と既存顧客の要望を分類して戦略に活用する」という点でもあります。作成にはそれほど多くの時間を必要としないため、状況を整理するために活用してみることをお勧めします。
6.おわりに
[本投稿にいて]
本内容は、2022年11月24日(木)に株式会社Flyle様のイベント登壇時にお話をさせていただきました。 その際のスライドとイベントのURLは下記になります。
[募集にいて]
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この記事は個人ブログと同じ内容です
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