はじめに
株式会社ROXXのプロダクトマネージャー、松野広志です。
世の中には先人たちが開発した各種フレームワークが多々存在し、それらを活用することで、物事を整理しやすくなり、議論や検討をスムーズにおこなうことができます。
そこで、プロダクトマネージャーにおすすめのフレームワークを「新規事業開発編」「分析編」「機能開発編」の3つに分けて記事にしたいと思います。今回は、その中の新規事業開発時に役立つフレームワークをご紹介します。
※ これからプロダクトマネージャーを目指す方に向けた内容です。
※ 各フレームワークを詳細に説明する記事ではありません。
1.ビジョン策定:Product Vision Framework
出典
ご存知の方も多いと思うこのプロダクトビジョンフレームワークは、ジェフリー・ムーアの著書である『Crossing the Chasm』が元であり、起業家が投資家に対して行うエレベーターピッチのテンプレートとして紹介されました。もし30秒以内で自分のプロダクトをピッチできない場合、ビジョンは準備不足であり、再試行が必要とのことです。
フレームワークの使い方
プロダクトビジョンフレームワークは、顧客とユーザーの特定、および関連する目標の説明に使用されます。これは、プロダクトマネージャーが戦略的なプロダクトビジョンを形成するための便利なツールであり、より良いプロダクトロードマップの作成や開発プロセスでの重要な意思決定をサポートします。
プロダクトビジョンの組織への浸透を促すために「プロダクトビジョンを主要なステークホルダーと一緒に作成・更新する」「作成したプロダクトビジョンはプロダクト戦略の資料(プロダクトロードマップも含む)の序盤に掲載する」といったこともおすすめです。
逆に、ビジョンの設定や浸透が不十分な場合、組織内でプロダクトのあるべき姿や状態レベルの認識にズレが生じ、無駄なコミュニケーションや手戻りが発生しやすくなるので注意が必要です。
例
2.ビジネスモデル:Business Model Canvas
出典
ビジネスモデルキャンバスは、スイスのビジネス理論家、作家、講演者、コンサルタント、起業家であるアレックス・オスターワルダー氏の著書『ビジネスモデルジェネレーション』から学ぶことができます。
ビジネスモデルキャンバスでは、ビジネスモデルを9つの要素に分解し、「パートナー、主要活動、キーリソース、価値提案、カスタマーリレーションシップ、顧客、販売チャネル、収入の流れ、コスト構造」について深いレベルで理解することに役立ちます。
フレームワークの使い方
プロダクトマネージャーにとって、機能のアイデア出し、優先順位付け、問題解決、価格設定など、プロダクトマネジメントに特化した活動に取り組む前に、プロダクトのビジネスモデルを理解することは重要です。このフレームワークは、プロダクトのビジネスモデルを360度見渡すことができ、プロダクトマネージャーの戦略的な洞察力を高めるのに役立ちます。
もし、ちょっとしたビジネスアイディアが頭に浮かんだ直後にビジネスモデルキャンバスを書こうとすると、ネットで検索して出てくるビジネスモデルのサンプル程度の内容までしか書けないと思います。それは、顧客や市場についての解像度が低いからに他なりません。
多くのプロダクトマネージャーは、各項目を具体的な内容で埋められるだけの解像度を上げるべく、日々「顧客との面談回数を増やす」「顧客を観察する」「プロトタイプを提案する」「データを分析する」「ドメイン知識を深める」「専門家に相談する」等の地道な活動を繰り返し、そこに相当の時間を掛けていると思います。(プロダクトマネージャー以外の方が請け負うこともあると思います)
同じように解像度を高め、ビジネスモデルをアップデートしていただけたらと思います。
※ 解像度についてのおすすめ書籍
3.whole Product Canvas(参考)
出典
「何だそれ、聞いたことないぞ」と思われると思いますが、それはそのはずで、リーンキャンバスとwhole product canvasとキャズム理論の時間軸を組み合わせた、私のオリジナルのフレームワークです。既存のフレームワークを絶対なものと思わず、必要とあらば自社で使いやすい形に改良することもご提案したく、ここでご紹介させていただきました。
フレームワークの使い方
プロダクトの進化とともに対峙する顧客が変わるため、組織の関係者とプロダクトの過去・現在・未来の姿を共有するために利用しました。
https://note.com/matsuno_hiroshi/n/n45efb2b0e923
最後に
フレームワークのご紹介と作成と活用について書かせていただきました。
当記事が、これからプロダクトマネジメントをおこなう方のお役立てたらと幸いです。
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